ボイスドラマ活動者インタビュー企画「ボイドラと人」第14回は
Twitterで立候補を募りあみだくじという神の采配(?)で決まりました、演者の
hana10さんです!
可愛らしい雰囲気に反して領域を制限せずに果敢に活動範囲の広げていくというギャップが気になり、お話聞いて来ました。
【本日のゲスト】
hana10さん
(イラスト:△○□×さん)
演者
こえ部にて活動を始め、2012年より自サイトを持って企画に参加するようになる。
明るい女の子の役が多いが、影のある少女や少年でも定評がある。
出演可能な役:少年、少女、若い女性※依頼可
URL:
「hanatombo*」
ことの発端は、インタビュアーが思いつきでやらかしたこちらの企画
あみだくじもちゃんとやりました
(14回なのに、16を選んだ理由は、実施したのが16分だったから←)
幸橋:
ということで、何の冗談だよという感じですが、本当にあみだくじで決まった今回のゲストはhana10さんです。何だかすみません、そんな理由で呼んでしまって。
hana10さん(以下、hana10 ):
びっくりしましたが、大丈夫ですよ。
幸橋:
私はhana10さんでほっとしました。よろしくお願いします!
<目次>
『初期のころからのこえ部ユーザー』
幸橋:
活動は2014年からということで、確かにその頃からお名前をお見かけし始めたかなという印象なのですが。
hana10:
自分のサイトを持って活動し始めたのがその頃からですが、実はずっとこえ部で企画に応募していたんです。
幸橋:
こえ部。もはや、なつかしいと思ってしまいますね。とはいえ、私はこえ部はそこまで使っていませんでしたが、こえ部が活動始めるきっかけだったというお話はよく聞きますね。そう考えると影響の大きいサービスでしたが、では、こえ部ではいつ頃から活動を?
hana10:
こえ部が出来て数年くらいで使っていたので、もうだいたい10年前くらいでしょうか。でも、
最初はこえ部の中のこえ部LIVE!という音声チャットのサービスで雑談していました。それがいつの間にか声劇をするようになったんです。
幸橋:
そんなサービスあったんですね。そんなチャット機能があるとか、遡れば、こえ部自体はどうやって知ったんですか? 普通に学校とかでこういうのがあるんだよ、やろうという話になるんですか。
hana10:
姉がPCをよく使う人で、私もそうだったので、気が付いたら行き着いた感じでしょうか。
幸橋:
機械音痴の私には考えられませんね。それでこえ部の使い方が、チャットから
声劇、企画への参加と変遷していったとのことですが、最初に参加した企画がまさかの
MMD、動画だと伺いましたが、これは?
hana10:
正確にはその前に1~2個企画には応募して出てはいたんですが、本当に企画に応募し始めた初期の頃に出させてもらいました。
それが
「軽トラバッドエンド」*1という作品です。
再生数が良くて、共演者がボイスドラマ作品で活動していたので、今の活動に与える影響は大きかったですね。
幸橋:
私が小心者だから思うのかもしれませんが、まだ活動始めたててで動画の企画に応募することはしり込みしてしまいそうなのですが、そんなことはなかったですか。
hana10:
動くものに声を入れるなんてドキドキしませんか(笑)やりたいなと思って。それにこえ部は応募総数が見えるので、たくさん応募音声が並んでいる中に紛れ込んでしまえば良いと思ったんです。半分記念にという気持ちもありました。なので、まさか採用されるなんてと思いましたね。
こえ部の企画は他の企画もそうなのですが、投稿したいところに応募して終了という気軽に応募できる雰囲気がありました。
幸橋:
こえ部の構えずに参加できる性質もあったのかもしれませんが、hana10さんはフットワークが軽いなと思っていて。
十六夜工房さん
*2の作品にも別名義で出演しているじゃないですか。
十六夜工房さんの作品は舞台役者さんとか本当にお仕事として声を提供している方ばかりで、趣味でやっている方が少ないので、hana10さんが出ているのを知ってすごいなと思っていました。
あれは普通に応募したんですか?
hana10:
九重仕立ての
ミルフィーユ
*3のアリスですね。そうです。
ネットで募集を見かけて、深く考えずに面白そうだなと思って応募しました。そしたら、変なメールが届いて。
幸橋:
変なメール?(笑)
hana10:
あやしいという意味では無くて、経歴というか活動歴というのか。そういう類の質問があったのですが、ド素人なので、無いですとお答えしました。採用されてキャストさんを見たら、どこどこ所属という方ばかりで、そこで、やばい! と思いましたね。本格的なスタ録もほとんど経験したことがなかったので、緊張しました。
幸橋:
いや、でも、結果、採用されていますし、その物怖じせず面白そうだからとやってみる姿勢は必要だと思います。だから、hana10さんは活動領域を限定しないという印象がありますよ。
『意外にやったことがない小さな女の子』
幸橋:
私、hana10さんを知ったのが「
トロイメライの森」
*4の
レベッカなんですよね。でも、それからは意外にああいう絵に描いたような女の子をhana10さんが演じているのを見かけない気がします。
hana10:
そうなんです。
年齢が近い十代後半の元気な感じの女の子はありましたが、小さい女の子を実はやったことがなくて。トロイメライの森は
M3作品で初めて採用された作品なのですが、応募した時も
レベッカの弟のエミールにも応募して、
エミールの方が自信があったんです。でも、選ばれたのはレベッカで私も意外でした。
幸橋:
確かに今ならhana10さんなら少年をと思ってしまいそうですね。
hana10:
ひとこえさん
*5が良かったですからね。
私のロリ声はいろはカルタさん*6が発掘してくださったようなものです。
普段の地声がハスキーなので、ロリ声ががすがすにならないように気を付けました。
トロイメライの森は他にも印象に残っている点があって、
トロイメライの森が頒布されたM3の前のM3で応募した作品に全部落ちてしまったんです。
ちょっとくさっていたところがあって、どうせ無理でしょと思っていたんです。そんな時に採用して頂いて嬉しかったですね。
幸橋:
少年といえば、私は「忘却のクローネ」
*7の
シリウスでしか、hana10さんの少年役を聴いたことがないんですよね。
hana10:
ボイスドラマだとそうかもしれませんね。
周りでは私が少年役ができると思っている人が多いのですが、それは「1BeatHeart」
*8というゲームで少年役で採用してもらったからだと思います。「1bitHeart」
*9も含めて応募数が多く、参加しているボイスコさんが多い作品なので。
幸橋:
そうだったんですね。
シリウスを聴いてなんで少年役をやらないんだろうと思っていました(笑)
hana10:
でも、少年をそつなくこなすはできますが、ボイスドラマ界には少年役のプロフェッショナルがいるので、そういう人たちには勝てないですね。
幸橋:
プロフェッショナルが(笑)
hana10:
この顔のキャラならあの人だ! というのがあるじゃないですか。
幸橋:
確かに。
『動きはないけれど、動きを見ている』
幸橋:
忘却のクローネの
シリウスがわかりやすいので、そのまま私のhana10さんの演技について思っていることを言ってしまうと、hana10さんの話し方はナレーションっぽいというかはっきりした、ある意味型にはまったような読み方という印象なんです。
シリウスが特にそうで、下手すると棒読みになってしまいそうなのに、人間味が感じられて不思議だなあと思っているんですよね。
hana10:
シリウスの場合は、起伏が無い少年なので、確かに棒読みでないように気をつけていました。
幸橋:
どういうところを気をつけていたのでしょう?
hana10:
そうですね、彼も他の役もキャラの前に人間なので、動きを見ています。
幸橋:
動きを見る?
hana10:
音声なので、動画のように動きが見える訳では無いのですが、私は演劇部だったので、例えば、このシーンは強く言いたいけど、この動きをしていたら力が抜けるので、力を入れて声を出せないなと考えるんです。
あとは、動きながら出す声の出し方は意識しています。ここでは目を合わせているなとか、下向いているなとか。そういうことは考えていますが、あまり深く考えて演じていないかもしれません。
幸橋:
動き1つ1つにキャラの考え方や性格が出るので、間接的にはキャラを表現しているのかもしれませんね。
hana10:
考えていないというのは語弊があるかもしれません。台本は何度も読みますが、かまない限りは私はだいたい1テイク目が良いんですよね。それは初めに感じて出したものが自然に出た言葉なので良いと思うんです。
登場人物にとってはその出来事に出会うのが一回目なので、慣れているような感じが出たら意味がないと思うんです。だから、素直に出た言葉が一番かなと考えています。
幸橋:
話は戻ってしまいますが、演劇部だったんですね。どちらかと言うと放送部のイメージでした(笑)
hana10:
発音がはっきりして、話し方がはきはきしている方だからでしょうか。
『やったことがない役を頑張ることで次につながる』
幸橋:
「夜叉狐」
*10の梓も
シリウスと近い印象で、お店で体を売っているような女性ですが、あまりはっきり感情は出てこないキャラですね。
hana10:
この子もあまり演じた事が無いキャラでした。女子高生くらいの年齢でも元気な子の役が多かったので、梓のような暗い子の役の経験があまりありませんでした。自分の経験にはないような経験をしている子なのでどうしようと悩みましたね。
あと、私はこれまで恋愛をする役がなかったんです。1人で生きていくような女性ばかりで、ちゃんと恋をしている役は梓が初めてでした。恋愛で、かつ、百合なので難しかったですね。
幸橋:
梓はどんな風に演じたんですか。
hana10:
押し殺した感じでしょうか。好きな相手の子には彼氏がいるし、梓も女の子が好きだということを受け止めきれていない。好きになってごめんという気持ちがあります。でも、好きだからどうしようもない。好きな子の横にいられなくなってしまうのが本人の苦痛なので、いつもの友達の行動をして我慢している演技をしていました。声は、発音がきれいだけど、強い感じにならないように気をつけて。発音がきれいだと想像するキャラの顔の造形が良いと思うんですよね。発音が良いことで声も良い声に聴こえるので、梓が美人に聴こえるようにしました。
幸橋:
見た目を声で表すという考え方は面白いです。そして、毎回どうしようと思いながらも何だかんだ演じてしまうんですね(笑)
hana10:
採用して頂くと、希望外で拾ってもらうことが多いのですが、そんな役やったことがないと思っても、頑張ってやると自分の引き出しになります。
レベッカも頑張れていなかったら、アリスは出来ませんでした。
幸橋:
確かにアリスと
レベッカは高い声の可愛い感じが共通していますね。
hana10:
アリスはスタ録の力で周りの演者さんに引っ張られました。古俣さん
*11演じる
上司のキャロルがこわいところがあるので、それと関係ない能天気さを意識していました。キャロルの後ろでちょこちょこしている感じ(笑)
幸橋:
ちょこちょこ(笑)ちなみにあのセリフの後のプンプンといった擬音語擬態語を表した副音声的な声は……
hana10:
あれはそれぞれの役の方が皆さんしゃべっているんですよ。
幸橋:
そうだったんですか(笑)確かにそんな都合よく音声素材ないですよね。次、聴く時に収録の様子を想像して笑ってしまいそうです。
『好きなサークル、演者、作品~もはや宗教~』
幸橋:
皆さんに訊いているのですが、好きなサークルさん、作品、演者さんを教えて下さい!
hana10:
辰巳さん
*15の
「cyan」*16も良くて、神でしたね。女の子が好きなので、男性のボイスコさんは女性ボイスコさんほど好き!ということにはならないのですが、
あの時の情緒不安定さん*17にはもっていかれました。適材適所でわかっていると思います。
PERFECT BLUEも優等生な浅見さんが、適材適所で。
あまりにも浅見さんを推すので知り合いからは宗教と言われています。
幸橋:
宗教(笑)
hana10:
浅見さんには小音さんのサークルがM3に出た時に売り子のお手伝いをしていた時にお会いしたことがあるんです。「錯覚ラヴァーズ」
*18に出ていたので、挨拶をしに来たんだと思うのですが、その時はちょうど小音さんがいなくて、私が対応したのですが、自分は名乗らずにファンです、頑張ってください!と言っていて、自分でも引くなと(苦笑)
幸橋:
いやいや、わかりますよ。というか、やります。
hana10:
他はボイスコさんでは、
橘こむぎさん*19が好きです。
「LAST desire」*20でめちゃくちゃ好きになったんです。翔太君が性癖に刺さります。
幸橋:
姉の巴役が浅見さんだから、中ッ原
姉弟最高じゃないですか。
hana10:
そうなんです(笑)
『今後について』
幸橋:
今後のご予定はいかがですか。
hana10:
M3は出れば3作品くらい出演した作品が出そうです。最近はシチュエーションボイスが多っかたので、そちらが順次公開されて行くと思います。
幸橋:
具体的なものではなくても、こういうことをやってみたいなという活動はありますか。
hana10:
歌は歌ってみたいなあと思います。そして、男の子役をやりたいですね。
幸橋:
ぜひ! また聴きたいです。
hana10:
周りからも少年役をやってと言われて、応募はしているのですが、なかなか受からないんですよね。でも、やりたいので、応募頑張ります。
幸橋:
ぜひhana10さんに少年役の依頼を!
『後記』
ふざけているとしか思えない企画に心優しくも参加してくださったhana10さん含めた皆様には感謝。ちょうど忘却のクローネで気になった独特のhana10さんの味のあるぶっきらぼう感(笑)と前々から気になっていた予想外な作品に登場する神出鬼没さの理由を聞いてみました。どちらにも共通するやってみる精神は見倣いたいものです。