ボイスドラマ活動者インタビュー企画「ボイドラと人」

「ボイスドラマ」をテーマに、インタビュー記事をメインコンテンツとして配信しています。今後、ボイスドラマに関わるイベントや新作の告知、作品紹介コラムも増やしていく予定。

第16回『浅見ゆいさん』【ボイスドラマ活動者インタビュー企画「ボイドラと人」】

f:id:yukibashi:20180317143321j:plain
 
ボイスドラマ活動者インタビュー企画「ボイドラと人」第16回は、独特の優しい声音にファンが多い一方で、演技派の演者さんでもある浅見ゆいさんです!
インタビュアーはシチュエーションボイスをあまり聴かないので、ボイスドラマメインだよ!悪しからず。

 

【本日のゲスト】
浅見ゆいさん

f:id:yukibashi:20180317142352p:plain

演者
その優しい声と演技でシチュエーションボイスで多くのファンを持ちながら、企画者さんからはその演技力に定評がある。
出演可能な役:少女、若い女性※依頼可
URL:
 
 
幸橋:
今回のゲストは、きれいな優しいお姉さんキャラと言えばこの人、浅見ゆいさんです! でも、それだけではないよという部分も掘り起こしていきたいと思います(笑)よろしくお願いします!
 
浅見ゆいさん(以下、浅見):
よろしくお願いします。
 
<目次>

『自分に合うキャラを模索していた初期』

f:id:yukibashi:20180317143059p:plain

幸橋:
浅見さんはこういうボイスコと呼ばれる活動は何で知ったんですか?
 
浅見:
ある商業のゲームを検索してサイトを見て回っていたら、同人のイメージボイスが置いてあるサイトを見つけたんです。最初はプロなのかな? と思ったのですが、見ていく内にそうじゃないとわかりました。
 
幸橋:
やっぱり演じた声を趣味で載せるというのは、最初、なかなか思いつかないものですよね。
 
浅見:
中学時代に演劇部に所属していたので、演技することは元々好きだったんです。それがオンラインでできるのかと衝撃でしたね。そこから色んなボイスコさんのサイトを見て行き、面白そうだなと思って始めました。
 
幸橋:
浅見さんも独学で?
 
浅見:
ネット上にボイスコさんの手引きみたいなものがあったんです。それを見て、ヘッドセットのマイクを買いに電気屋さんに走って(笑)もちろん収録方法などは自分でも調べながら始めましたが、最初はよくわからなかったですね。
 
幸橋:
その頃に既に手引きなるものがあったんですね。
最初はどんな作品に出演していたんですか。
 
浅見:
最初に応募したのはイメージボイスの募集だったと思います。でも、始めたばかりの時は全くダメで、応募しても受からなかったんです。なので、最初に出演した企画は応募ではなく、依頼でした。
 
幸橋:
一番初めが依頼ですか? それも珍しいですね。出演作品が無い中で、依頼ということは個人サイトを見てということですよね。
 
浅見:
そうです。拠点がないとダメだと思っていたので、個人サイトは活動を始めた最初からありました。応募する時にサイトURL記載するところが必ずあるので、サイトは持っていないとダメなんだろうなと。
 
幸橋:
その依頼があった作品は何だったんですか。
 
浅見:
黄道の地平線」という作品です。ヒロインで、元気な女の子の役でした。応募ではまず受からないような役でしたね。
 
幸橋:
当時からそういう元気な子よりは静かな落ち着いた役が多かったんですか。
 
浅見:
そうですね。受かるのは大人しいキャラが多かったと思います。募集に受かる役は昔よりはわかるようになりました。当時は、例えば、さっき出たような元気な女の子でも、やりたいと思う役に応募して受からないことが続きました。逆にお姉さん系の役はあまり応募してませんでしたね。
 
幸橋:
これは興味本位な質問なのですが、当時よく応募する役が被っていたボイスコさんはいますか。
 
浅見:
たくさんいたんですが、一番印象に残っているのは、空子さんですね。今は名義が変わっていますが。またかーって思っていました(笑)
 
幸橋:
確かにきれいな声なのは共通していますが、微妙に雰囲気が違うので、被っていたというのは意外です。
 
浅見:
今だったら、たぶん被らないと思いますが、当時は被ってましたね。
私も昔はいろんな役をやってみたいと思っていましたし、自分の方向性も模索していました。今はやりたい役と自分に合っている役が合致しているように思います。 
 

『感情があるのに表現出来ない難しさ』

 
幸橋:
今まで演じた役でこれは難しかったと印象に残っている役はありますか。
 
浅見:
Greedianさん*1「ラスト・メモリー*2ヒューマノイドの女の子梓木サキを演じたのですが、 彼女が難しかったです。
 
幸橋:
特にどういう点が?
 
浅見:
梓木は感情がない訳ではなく、単純に表面に出にくいだけなのですが、感情を出し過ぎず、でも、単調にならないという、そのバランスが難しかったです。
収録前にサンプルボイスを提出した時も、感情をあまり出さないようにしたのですが、それでも感情を抑えて欲しいと言われて、本当に抑えめなんだと思いました。本編の音声を提出した後に部分的にリテイクを貰ったのですが、そこでも感情を抑えて欲しいという内容で、気持ちは感じるけど、表に出てこないという部分を表現するのが難しかったです。
 
幸橋:
私個人は梓木は間に感情があるなあと思うんですよね。時々、なんでここ一拍遅れたのかなとちょっと違和感がある時があったのですが、本当にそういう些細な兆しでしか感情を出せないのは難しいですね。
他には難しかったところはありますか。
 
浅見:
梓木はヒューマノイドで呼吸をしないので、呼吸音が入らないようにしてくださいという要望を頂いたのですが、 私は普段息を吸う音がうるさいんです(苦笑)
 
幸橋:
うるさいというか、吐息感がありますよね(笑)
 
浅見:
なので、普段よりもできるだけ静かに呼吸するようにというのは気をつけました。
 
幸橋:
確かに声の耳ざわりがちょっと違いますね。いつもとは異なる声の出し方だったんですね。
 
浅見:
私は普段、吐息の表現もよく使うのですが、春希さんに「吐息での表現は有りか無しか」を最初に確認しました。そしたら、 例えば「ふぅ……」と息をつく気持ちの表現があったとしたら、梓木の場合は「ふう」とそのまま口にすることになる、とお返事いただいて、 吐息表現を封じられたのも難しい点でしたね。
 
幸橋:
何でわざわざ言葉として言っているんだろうと思っていましたが、そういうことだったんですね。
 
浅見:
そうなんです。Greedianさんの作品は「ラスト・メモリー」、「Perfect Perogram」*3、「VANISH: CODE」*4でSF3部作なのですが、VANISH: CODEの世界はラスメモより文明が進んでいてプログロイドなので、プログロイドたちが普通に呼吸していて いいなぁと思いました(笑)

 

『最も楽しかったスタジオ収録』

 
幸橋:
これまで参加して印象に残っている作品はありますか。
 
浅見:
スタジオ収録作品はやっぱりどれも印象に残っていますね。
 
幸橋:
浅見さんはスタジオ収録はあまりしないんですか?
 
浅見:
少ないと思います。依頼されればスタジオ収録にも行くのですが、地方にいるので皆さん気を遣って宅録で良いですよと言って下さるんですよ。私もスタジオ収録前提の募集にはあまり応募しないので。
 
幸橋:
では、最初にスタジオ収録に参加したのは依頼ですか?
 
浅見:
いえ、実は、それは応募でした。「君に託す物語 人狼議事ボイスドラマ」*5という作品です。スタジオ収録の募集だったんですが、比較的関東よりは行きやすい場所だったので、スタジオ収録をやってみたくて応募しました。何も勝手がわからず、すごく緊張しましたが、同時に充実もしてましたね。M3もまだそんなにボイスコさんたちも参加してなかったので、それまでボイスコさんに会った事が無かったのですが、その中にぽっと参加しました。
 
幸橋:
へえ、あまり他の方と会ったことがないというのは意外です。
 
浅見:
そうですか? そう言えば、偶然にも私が参加したスタ録作品には必ず神崎さん*6がいるんですよね(笑)
 
幸橋:
色んな作品に出ていらっしゃいますからね。でも、全部とは(笑)知っている方がいるのは安心ですね。
それでは、スタジオ収録でも特に印象に残っている作品はありますか。
 
浅見:
一番楽しかったスタ録が「LAST desire」 *7です。これもスタジオ収録前提で、音質がさほど良くない人でもスタ録に来れるなら音質面は審査対象にならない募集でした。ただ、私は地方に住んでいたので、音質も悪く、スタジオ収録にも行けないと、キャラのイメージに合っていても採用してもらえないと思いました。その理由で不採用になるのは絶対に嫌だと思い、応募の時に、スタジオ収録にも行けると伝え、結果、音質に問題無かったので、宅録でも良いですよと言われたんですが、最初からスタジオ収録に行くつもりでした。
 
幸橋:
長編作品なので、何度も関東に行く必要があったかと思いますが、それでもスタジオ収録を選んだんですね。
 
浅見:
みや。さん*8の作品が凄く好きですし、 共演者も上手い人ばかりだったのでで、皆がスタ録でやるなら、私も行きたい、一緒にやりたい! と思ったんです。 10年くらいこの活動をやっていますが、一番楽しい収録でした。
 
幸橋:
ここは特に聴いて欲しいというところはありますか。
 
浅見:
最後の弟の翔太と理解し合うシーンはお気に入りですし、作中で巴の性格がころころ変わるシーンがあって、色んな性格の巴を演じたのですが、ガラの悪い巴がほぼ私まんまだったので、あんまり作らずにやっていましたね。
 
幸橋:
そうなんですか(笑)
 
浅見:
普段は声のイメージ通りの言葉遣いなんてしないですよ。
 
幸橋:
確かにいつも丁寧な言葉遣いなんて出来ないですよね。
他にはスタジオ収録の思い出はありますか。
 
浅見:
演技ではないのですが、ヒロインの勇希役のイヅカさん*9が、立ち姿が全くぶれないのが印象的で(笑)
 
幸橋:
立ち姿ですか?
 
浅見:
私はすぐ疲れてしまうので、片方に体重を乗せてたりと動いてしまうのですが、 イヅカさんは叫んでいてもピシッと立ってぶれないんです。立ち姿がまれなくらいにきれいでした。
 
幸橋:
あのテンション高い勇希を演じている時にですか? それはちょっと見てみたい(笑)
実際、長編のスタジオ収録をしてみてどうでしたか。
 
浅見:
ボイスドラマでこんなに長期間、同じ作品をスタ録することはほとんどないので、 収録の最後は1つ舞台を終えたような満足感と寂しさがありましたね。なので、本編のスタ録が終わった後、番外編の収録で再び集まって巴を演じられたときは嬉しかったです。
 
幸橋:
中ッ原姉弟の番外編は良い話でしたね。でも、本当にあの続きがなんでないんだ!! という思いは聴いた人全員が共通で感じたことだと信じています←

 

『普段は言われない「きれいな声」』

 
幸橋:
浅見さんの特徴の1つは聴くからに優しい雰囲気の声ですが、地声もあまり変わらないですよね。
 
浅見:
ボイスコさんやニコ生をすると、地声がきれいだと言われるのですが、実際リアルの生活の場では言われないんです。だから、特徴のない声だと思っているんですよね。
 
幸橋:
本当ですか? それは驚きです。何でだろう……
 
浅見:
声だけで聞くときれいだと感じるんだろうなあと思っています。本人の姿を見ながら聞く声と、声だけで聞いた時だと、声に対する印象が違うのかなと。
 
幸橋:
ちなみに、浅見さんはあまり声を変えないですよね。自分の強みに特化しようとか、何か意図があるんですか。
 
浅見:
役柄によって変えようとはしているのですが、あんまり変わらないんです。特化してとは考えていませんでした。
今は、声を柔らかくしようとか、大人っぽくしようという変化はつけますが、声を作るとは違いますね。たぶん声を作る事はできないので、それよりも演技に力を入れたいと思っています。
 
幸橋:
「GLASSES BREAKER'SⅢ」*10のユアはそんな中でも、声が変わっている印象でした。
 
浅見:
あれはかなり低くしています。特にキャラの声のイメージとかは書かれていなかったんですよね。ひげさん*11に声をかけて頂いた時もこういう風にして欲しいとは言われなかったので、セリフを見て私のイメージでやった声でした。低い、凛々しい、かっこいい系の声にしたいなと思って。ここまで声を変えている作品はないと思います。
 

『優しい演技だけじゃない』

 
幸橋:
私個人の印象なのですが、2016年、2017年くらいから腹にドロッとした悪意というか、危険な雰囲気がある役だとか感情が振り切れた役が増えたなと思っているんです。声がこれまで通りの優しい声なので、そのギャップをひしひしと感じてしまうのですが。
 
浅見:
その時期に決定的に何かがあったということは特にありませんが、演じる環境的なところで言うと、2015年、2016年くらいから防音室を導入して、叫びが思いっきりできるようになりました。叫びの演技が振り切れるようになったというのは違いとしてあるかもしれません。
 
幸橋:
周りへの遠慮をしなくて良いというのは宅録には必要ですよね。他に何か変化はありましたか。
 
浅見:
気持ちの面だと、その頃からシチュエーションボイスに出させてもらうようになって、そういう音声作品の役柄は優しさに特化したキャラが多いんですよ。音声作品を聴いてくれた人がファンになってくれて、でも、そういう方々の中にボイスドラマを聴いてくれる人があんまりいなくて。
言い方は悪いですが、音声作品の演技だけを私だと思わないで欲しい、優しい演技だけじゃないんだ! という思いは関係していますね。
 
幸橋:
逆に私はシチュエーションボイスはあんまり聴かないのですが、作品の特性上、やはり優しい感じが多いんですね。
 
浅見:
そうですね。感情の起伏は少ないです。ボイスドラマだともっといろんな感情の演技が出来るとは思います。
 
幸橋:
私が浅見さんの演技で闇を含んでいるなあと感じた作品の先駆けは「OBSERVATION」*12の深町なのですが、浅見さんとしては、他にこの作品は! と思うものはありますか。
 
浅見:
雰囲気としてはdestinyさん*13「BadEndPrincesses」*14とか、あとは、なんと言ってもお月さま交響曲*15の中でも一番のゲスキャラと言われている「TranquilizeR」*16エミリアですね。
 
幸橋:
お月さま交響曲さんの中で一番って、かなりえぐいですね(苦笑)結構残酷なキャラ多いのに。
 
浅見:
企画者の大宮さん*17のお墨付きです(笑)これが闇を含んでいるというか悪意のあるキャラの先駆けだと思います。
 
幸橋:
(後日談:聴き直して、一番のゲスキャラの意味を理解しました)
私は浅見さんの闇を感じる演技が好きですが、浅見さんご自身はどういう演技が楽しいですか。
 
浅見:
振り切れた演技は楽しいですね。「クロの旅人」*18の妻も本当に楽しかったです。
 
幸橋:
第12回での対談でクロの旅人がテーマでしたが、その時も盛り上がりましたよ。蹴られたいよねって(笑)
あとは、先ほど名前が挙がったGLASSES BREAKER'SⅢのユアが靴をなめさせるのも衝撃でした。企画したひげ太郎さんはとち狂っているなと思う一方で、天才だとも思いましたね。
 
浅見:
ユアは評判が良かったっですね。ボイスコさん、リスナーさん問わず(笑)
声のイメージと真逆の演技をするのは楽しいですね。
 

『シチュエーションボイスとボイスドラマの違いと共通点』

 
幸橋:
私が無知で恐縮なのですが、シチュエーションボイスや耳かきボイスといった作品とボイスドラマとで演技の仕方は違うのでしょうか。
 
浅見:
大きく違わないとは思いますが、相手のセリフがないので、自分の感覚、自分の間合いで自分の世界を作り上げなくてはいけないので、ボイスドラマと臨み方というか、心構えが違うかもしれません。感覚的なもので表現が難しいのですが。
 
幸橋:
自由度が高いのでしょうか。
 
浅見:
それはあります。ボイスドラマなら相手の返事があるところが、シチュエーションボイスだと、聴き手の返しが入ると想定される部分にあたるのですが、その部分を深く考えずに自分の間合いで出来るので、その辺は気楽ですね。
 
幸橋:
逆に相手がいないこと、1人語りの難しさは何でしょうか。
 
浅見:
相手の反応がない分、1人で世界観を作りあげなきゃいけないのは楽しくもあり、気楽でもあり、でも、難しいです。ボイスドラマでは相手の反応との相乗効果で聴きごたえのあるシーンが生まれますが、シチュエーションボイスで1人語りだとそれがないので。
 
幸橋:
1人でしゃべっていて聴いている人が飽きないかな? と思ったりしませんか。
 
浅見:
思います。そこは恐いですね。
 
幸橋:
そうならない工夫ってありますか?
 
浅見:
技術的な話になるのですが、最後の音を意識的に変えています。 「~です」「~です」と語尾の音が同じだとすごく単調に聴こえるんです。なので、「~です↑」「~です↓」といった感じでちょっと変化を付けるようにしています
 
幸橋:
平板ではなく、セリフの内容とは別に語尾を上げたり下げたりイントネーションを変えるんですね。
 
浅見:
ボイスドラマでもやりますよ。語尾の音が続くのは……と思って変えますが、シチュエーションボイスは特にセリフの言い方に変化を付けるようにしていますね。
 
幸橋:
そういう飽きさせない細やかな気遣い・工夫が浅見さんの声を聴いていたいと思う理由の1つなんでしょうね。
 

『好きなサークル、演者さん、作品』

 
幸橋:
恒例のこのコーナーですが、好きなサークルさんは?
 
浅見:
おにぎりワゴンさん*19ですね。みや。ちゃんの話が好きで、作品ごとに作風が違うのもすごいと思います。某大学*20は気楽に聴けるので、一番よく聴きましたね。うどん*21もかなり好きです。逆に「最愛表現」*22のような作品も好きで、収録された話の中で、Case2「逆らえないモノ」の高橋そらさん*23の演技がとても好きでした。
 
幸橋:
他にはありますか?
 
浅見:
選べないなあ(苦笑) そうですねえ、箱庭Sさん*24は好きです。出演作になるんですが、「下町バックグラウンド」*25で、初めて箱庭Sさんの作品に参加して、台本を見た時に登場キャラのセリフが生き生きしていて、本当に台本の中で生きていると思ったんです。シリアスなシーンでは自分にも刺さるセリフがたくさんあって、寿くんのセリフは台本を読んで泣きましたね。
 
幸橋:
わかります。箱庭Sさん良いですよねえ。
それでは、好きな演者さんは?
 
浅見:
円海アルトさん*26昔からすごく好きで憧れです。お姉さん役は私も出来ますが、あそこまで大人で深みがあるセリフは私には出せないので、自分にないものを持っているという意味で惹かれる演者さんです。LAST desireで生の演技を聴いて鳥肌がすごかったです。
 
幸橋:
アルトさん演じる彩子は大人で勝気ですが、弱くて可愛い部分もあって、良かったですよね。
 
浅見:
めっちゃ共感してしまいます。アルトさん推しです。
 
幸橋:
アルトさん推し(笑)
それでは、作品は? 浅見さんはボイスドラマ作品は聴く方ですか?
 
浅見:
最近、M3の作品を集中的に聴いてます。昔は完成する企画自体が少なくて、あんまり聴いてなかったのですが、 最近はCDという形になるので、聴きたい気持ちが刺激されて聴きますね。
 
幸橋:
なるほど。その中で好きな作品は何でしょう。
 
浅見:
シリーズで「古術師ひぐらしの遺書」*27「古術師あかつきの受難」*28かなり好きです。あのCD一枚分の時間でよくあれだけ密度が濃く、すばらしくまとめているなあと思います。
あとは、碧空プラネタリウムさん*29「紅蓮の花」*30ですね。初めて買った碧空プラネタリウムさんの作品で、当時はミツキさん*31のこともあまり存じ上げてなかったんです。
 
幸橋:
何が気になって手に取ったんですか?
 
浅見:
何がきっかけだったか、サークルとしても当時はあまり知らなくて。たまたま手に取ったCDだったのですが、かなり好きで。あ、たぶんさかとさん*32とアルトさんが出てると思って買ったんですよね。
 
幸橋:
碧空プラネタリウムさんと言えば、さかとさん(笑)
 
浅見:
もうさかとさんを聴ける数少ないサークルですよね。
 
幸橋:
本当ですよ。碧空プラネタリウムさんにさえ出られなくなったら、終わりですよ。ちゃんとつかまえておいて欲しい!(必死)
でも、本当にその頃でも他の方と交流はあまりなかったんですね。
 
浅見:
小さい枠の中でしか交流をしていなかった時期ですね。この時は、M3で名乗っても誰も自分のことは知らないと思ってました。後から聞くとたぶん知られていたようなのですが、狭い世界の中で生きていたので。
 
幸橋:
いやいや、本当に。その頃、浅見さんが知られていないということは無いと思いますよ(苦笑)
 

『今後の予定について~死ぬまでには~』

 
幸橋:
では、今後の予定で告知出来るものがあれば。
 
浅見:
「亡翼のイフリート」*33に出演していて、今、更新中です。
 
幸橋:
これはスタジオ収録だったんですか。
 
浅見:
声をかけてもらった時が既にスタジオ収録の日が迫っていて、スケジュール調整が難しくて、自宅で収録させて貰ったんですが、行けば良かったなと後で思いました。
 
幸橋:
演じている三葉がイラストが文学少女風なのに意外に気が強い感じですよね(笑)
 
浅見:
キャラ絵と台本を見て、キャラとセリフのイメージが違うなとは思いました。どうやって演じたら良いんだろうと悩んだんですが、セリフを読んで受けてイメージを優先したら演じたらぴったりだったみたいですね。皆さんも聴いてみるとイラストで感じたイメージと違うと思うかもしれません。
 
幸橋:
そろそろM3の時期ですが、こちらはいかがですか?
 
浅見:
今回の春のM3にはたくさん出させてもらうことになっていて、過去最多6~7作品(たぶん)が出る予定です。まだ情報が出ていない作品もあるので、言えないのですが。
 
幸橋:
全部依頼ですか?
 
浅見:
応募と依頼が半々くらいです。
 
幸橋:
そうなんですね。去年の出演作品が依頼ばかりだったので、依頼で手一杯で応募していないのかと思っていました。
 
浅見:
応募はしているんですが、去年の秋のM3は1個も受からなくて(笑)
 
幸橋:
なんと(笑)
 
浅見:
なので、応募は抑えていませんよ。M3作品には全力投球みたいなところがあるので。やはり良い作品を作る人はM3に出展される感じがありますよね。
 
幸橋:
ちなみに作品はシチュエーションボイスとボイスドラマは半々くらいですか?
 
浅見:
いえ、全部ボイスドラマですね。
 
幸橋:
シチュエーションボイス好き勢には大変申し訳ないですが、私からすれば、よしっ! という感じです(笑)
では、最後に、具体的な予定でなくて良いのですが、こういう活動してみたいなというものはありますか?
 
浅見:
前から思っているのですが、死ぬまでに1枚は歌のCDを作りたいと思ってます。
 
幸橋:
死ぬまでってスパン長いですね(苦笑)そういえば、歌作品は出していないですよね。
 
浅見:
たまに気ままにMQubeにアップしたり依頼を貰って歌うくらいですね。歌うのは好きで、周りのボイスコさんたちにCDを出してと言われるのですが、上手くもないと思っているので、CD作るぞーとはなっていないですね。
 
幸橋:
もう浅見さん好きの誰か企画してください!(笑)
 
 
以上、浅見ゆいさんのインタビューでした。ありがとうございました!
 
 
『後記』
去年2017年上半期のベスト演者さんなら浅見さんだと思える作品が続いて、何か変化があれば聞いてみたいと思っていました。なので、いつかはインタビューをと思いつつ、流石にまだ行ったらまずいんじゃ……と悩むのも馬鹿らしくなったので、突撃したら予想外にあっさり引き受けて頂けて実現した今回のインタビュー。あの浅見さんの声を一人占めするという役得を味わってきました(自慢)
ちょっとした表現がツボでいつもだったら表現を書き変えるのですが、そのまま残している部分もあります。お話を聞いて浅見さんと言えば優しいお姉さん声という一言で済ましてはいけないなと改めて思いました。今後も浅見さんの振り切れた演技に期待(笑)
 

***
インタビュアー/幸橋

幸橋 (@kusanotsuki) | Twitter

ボイスドラマリスナー。
2009年よりボイスドラマ作品を聴き始め、2013年より開始した感想メモブログ「視聴note」にてボイドラ関連の記事が900件を突破(2018年1月時点)

「ボイドラと人」に関しての問い合わせ

 
【皆さんからの紹介をお待ちしています!!】
「番外編リスナーおすすめボイスドラマ作品紹介」では、皆さんのおすすめボイスドラマ作品紹介を募集しています。
以下のアンケートフォームから質問に回答してください。運営者から連絡先へご連絡致します。聴いている作品数、活動の有無など条件はありません!(※あまりにも露骨な自作品の宣伝の場合、修正をお願いする可能性があります。ご了承ください)
回答は順次、「ボイドラと人」ページにてご紹介させて頂きます!
よろしくお願いします!
 
<回答フォーム>

※①作品の基礎情報(注釈)は幸橋が追記致しますので、おすすめポイントだけお書きください。
※②最後の回答以外、出来るだけ、ネタバレは避けて下さい。
※③多少の加筆修正をお願いする場合があります。
※④どうしても書けないものは回答をとばしても構いませんが、基本全問回答してください
※⑤各質問、回答は基本は1つ(最大3つまで)でお願いします。
※推奨※先にワードやメモ帳などで書いて、コピペすることを推奨致します。
***

*1:演者の春希ジュンさんのボイスドラマサークル。「身近に潜む狂気」をテーマに製作 http://www3.to/greedian

*2:ヒューマノイドが人権を与えられ、人間と同様に生活する世界で、修理屋を営む兄と2人暮らしをしていたシオン、彼のクラスにヒューマノイドの少女梓木サキが転校して来て…… http://gomikuzu.boo.jp/last/

*3:2人の男女が暮らす部屋、モニターを通して崩壊へと至る2人を人々が見つめている。そして、別の結果に導くためにまた繰り返す http://gomikuzu.boo.jp/pp/

*4:見た目は人間そのものだが性格や行動がプログラミングされた生体応用工学技術「プログロイド」という存在が生まれた世界で、プログロイドだけが暮らす宇宙船に半ば幽閉される形で暮らすシェリーは人間らしい生活を取り戻そうとして…… http://gomikuzu.boo.jp/vc/

*5:人狼議事をテーマにしたボイスドラマ。夜な夜な人を襲い喰らうという化け物、“人狼”。その“人狼”がいる世界で描かれた物語 http://werewolf-drama.com/

*6:神崎智也さん。低い声が素敵な男性演者さん。個人サークル「Vitraloqui」でボイスドラマ制作も行う http://baroqueheat.at-ninja.jp/will/

*7:おにぎりワゴンの21作品目。仮想世界「ラスト・ディザイア」にて願いを叶えるために戦うキャラクターたちの物語。http://onigiriwagon.sakura.ne.jp/ld/

*8:ハスキーな声が素敵な女性演者さん。おにぎりワゴンというボイスドラマサークルの企画者さん。「ボイドラと人」第2回のゲスト http://onigiriwagon.sakura.ne.jp/

*9:感情豊かにエネルギッシュな女性を生き生きと演じる女性演者さん(by幸橋) http://vacancy.rosx.net/

*10:何でも屋のエドと彼のパートナーである少女のノエルが活躍するハードボイルド系作品。なぜか最後には敵の眼鏡を割る http://gbreakers.web.fc2.com/3/index.html

*11:独特な声でひょうきんな明るいキャラからシリアスな役まで演じる男性演者さん。一度聴くと忘れられない声(by幸橋) http://1st.geocities.jp/qrwfm772/

*12:大学生の桜庭黎人は恋心を抱く同じ学部の深町マヤがストーカーに悩まされていると知って調査を始めるが…… http://sflabo.com/ov/

*13:ボイスドラマ活動中心の木下結璃さんと女性ボーカルの桜井みおさんのサークル http://stargazer.flop.jp/pl/destiny/

*14:バッドエンドに至る童話の姫君たちのオムニバス作品 http://stargazer.flop.jp/pl/BEP/

*15:大宮 水那瀬さん企画のファンタジーの歌物語をメインで作成するサークル http://moonsymphony.web.fc2.com/

*16:魔界の魔王や悪魔、元・天使たちの歌物語。歌パートとキャラの過去が描かれたドラマパートがある。 http://perpetual0713.web.fc2.com/tranquilizer/

*17:ボイスコとして活動しつつ、音楽サークル「お月さま交響曲」にて歌物語作品を制作。 http://moonsymphony.web.fc2.com/

*18:ボイスドラマサークル「おにぎりワゴン」最後の作品(と言われている)2人の旅人の旅路をそれぞれの視点で描いた音響ドラマCD http://onigiriwagon.sakura.ne.jp/kuroshiro/

*19:第2回ゲストのみや。さん企画のボイスドラマサークル http://onigiriwagon.sakura.ne.jp/

*20:正式名称「某大学の某教授室からお送りします。」教授の部屋をたまり場としている男子大学生4人がだらだらと会話している日常の物語 http://onigiriwagon.sakura.ne.jp/dai/

*21:作品名「ごちゅうもんはおきまりですか?」おにぎりワゴン第5作品目。擬人化されたうどんたちの日常のお話。 http://kagasora.futene.net/udon/

*22:2人の男女による奇妙で不気味な恋物語3編を収録したオムニバス作品。 http://onigiriwagon.sakura.ne.jp/saiai/

*23:演技と共に歌唱でも活躍中の演者さん。可愛いお声ながらも時々、無防備なところにえげつない程の鋭さで切り込んで来られる時がある(by幸橋) http://kirakira.pupu.jp/brillante/

*24:「ショタ・少年もの」をテーマにした作品を企画・制作している。須藤水波さん、有村まよさんがメンバー http://hakoniwas.web.fc2.com/

*25:両親を亡くし天涯孤独となった寿は祖父の大きな古民家を引き継いだが、そこは昼夜問わず心霊現象が起こるおばけやしきだった。 http://hakoniwas.web.fc2.com/sitabg/

*26:大人で強い女性を演じる一方で可愛さを感じる女性を演じる女性演者さん(by幸橋)

*27:あらゆる古術書を用い千年の時を生きた古術導師日暮は真実の愛を知ってしまい、天上との契約で死を迎えた。生前に結んだ古術契約により、その体を妖獣に捧げることになっていた彼の体を求めて、彼の通夜に妖獣たちと1人の人の子が集まった http://magumi.xyz/isyo/

*28:真組企画のボイスドラマ作品。「古術師ひぐらしの遺書」の続編。千年の時を生きた誉れ高き古術導師、日暮の死後、彼の後を継いだ息子暁のもとに日暮の旧友、古術師の宵が訪れる…… http://magumi.xyz/junan/

*29:ひと時の幻のような不可思議な幻想的な世界を描き出したファンタジー作品の多いボイスドラマ制作サークルさん。http://hekiku.net/

*30:女学校の友人同士である雛菊と薊はずっと二人でいようと約束するが、雛菊に縁談の話が持ち上がる。縁談を固辞するも無視される雛菊はある時美しい青年柘榴に出会う http://hekiku.net/gren/

*31:嶝崎ミツキさん。特徴的なハスキーボイスの女性演者さん。キーパーソンとなる少年役が熱い(by幸橋) http://waltz.biroudo.jp/

*32:独特の高音ボイスで少年や二枚目の青年役を多く演じる男性演者さん

*33:PVG第7弾作品。炎に包まれた獣イフリートに襲われた朝霧湖鳩は、フギンと呼ばれる獣を連れるヤタガラスと名乗る者たちとイフリートとの戦いに巻き込まれて行く…… http://pvg.main.jp/bouyoku.html