ボイスドラマ活動者インタビュー企画「ボイドラと人」

「ボイスドラマ」をテーマに、インタビュー記事をメインコンテンツとして配信しています。今後、ボイスドラマに関わるイベントや新作の告知、作品紹介コラムも増やしていく予定。

第3回『ユキトさん』【ボイスドラマ活動者インタビュー企画「ボイドラと人」】

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ボイスドラマ作品にて活動されている方へのインタビュー企画「ボイドラと人」
第3回は10年以上活躍されている女性演者さんユキトさんです!

台風が迫る今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。私は残り3連休引きこもり予定なので問題無しです!←

どうもインタビュアーの幸橋です。

三連休毎日公開(と言っても3日だけ)キャンペーン第2弾です。第2回までは演者さんでもありつつ、企画者さんとしてのインタビューが続きましたが、今回はまごうことなき演者さんへのインタビューです。 

 

【本日のゲスト】
ユキトさん

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演者
2006年から活動開始。少年から可愛らしいヒロイン系の少女やクールな落ち着いた女性役までいずれの演技も定評がある女性ボイスコさん。最近はバイノーラルマイクを使ったニコ生が定期的に配信されている。

出演可能な役:少年、少女、女性(若い)、女性(中年)※依頼可

サイト:http://nekonotte.tumblr.com/

Twitterhttps://twitter.com/yukito_waa

 
<目次>
幸橋:
今回のゲストは演者のユキトさんです! こんにちは!
 
ユキト:
こんにちは。
 
幸橋:
いやあ、ユキトさんの声が好きなので、インタビューで声聞き放題なんてなんて役得。
 
ユキト:
ありがとうございます?
 
幸橋:
はっ、聴きほれている場合じゃない、では、始めましょう。よろしくお願いします!
 
ユキト:
よろしくお願いします。
 

『最初は版権ものから』

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幸橋:
ユキトさんは2006年から声活動されているとのことで、だいたいみなさんに聞いているんですが、なんで、声活動始めたんですか? 
 
ユキト:
その頃、テイルズ オブ ジ アビスが流行っていて好きで検索したらボイス系のサイトが出てきたんです。
 
幸橋:
それはボイスドラマ系のサイトだったんですか?
 
ユキト:
いえ、それは絵や文章やら色んなコンテンツがあるサイトでしたね。その中に音声作品があったんです。そういう活動を知って、面白そうだなと思ったのがきっかけです。
 
幸橋:
私個人からすると、面白そうでもいきなり演技は二の足を踏んでしまいそうなのですが、元々、演劇部とか演技に興味があったんですか?
 
ユキト:
あんまりそういうことは考えませんでしたね(笑)演劇部に入ったことはありません。アニメは好きでしたけど。
 
幸橋:
声活動を始めるにあたって最初は機材は何から始めたんですか?
 
ユキト:
私が活動を始めた時は機材情報なんてネット上に無くて、スカイプマイクを直差しですよ。
 
幸橋:
それ、先にインタビューしたみや。さん*1も仰ってました(笑)
 
ユキト:
今聴いたらノイズがひどいと思いますよ。
 
幸橋:
初期の頃はどういった企画に応募してたんですか? 
 
ユキト:
やっぱりテイルズ オブ ジ アビスの企画に主に応募していましたね。
 
幸橋:
活動したてはなかなか受からないと聞きますが、どのくらいの割合で採用されたとか訊いても?
 
ユキト:
アビスの企画自体が数がかなりありましたし、成人男性役を女性がやっていたような時代なので、応募すれば受かるという状態でしたね。私も男性役をやったことがありますよ。
 
幸橋:
なんと(笑)ユキトさんが男性役ですか。宝塚みたいでかっこよさそうですから、聴いてみたい気もしますが。
 
ユキト:
いやいや、黒歴史ですから。
 

『演じる役柄について』

 
幸橋:
ユキトさん少年から可愛い女の子、クールな女性と色んな役を演じてこられたと思いますが、実際のところはどういう役が多いんですか?
 
ユキト:
うーん、色々ですからね、最近は母親が多いのかな? クール系や少年系が多いと言われたことはありますが、実は少年はそんなに多くはありません。2011年のLost ALICE*2のアリスとかamberchrome*3の亜夢は大人の女性でしたが、その後はヒロインや少女といった幼い役が多かったですね。
 
幸橋:
へえー、意外です。あ、意外なのはヒロイン系が多かったというところですね。人間カプリチオさん*4の「Good Bye NICOLAS -青の理想-」*5イデアがユキトさんの少女役としては印象が強かったんですが、最初イデアを聴いた時は、これがユキトさん!? と意外でした。あの頃は落ち着いた役のイメージがあったので。
 
ユキト:
「拝啓、お元気ですか」*6や「秋の熱病」*7、「綾か紫ROCK」*8あたりは落ち着いた役かもしれませんね。でも、イデアみたいな少女の役も普通にありましたよ。
そこまで私の中では特殊ではなかったですね。
 
幸橋:
そうなんですね。当時の私からするとユキトさんのイメージがガラッと変わった作品だったのですが。イデアの最後の泣きの演技で号泣ですよ。もうつらくてつらくて。今はもう頒布されていないのでおすすめしづらいのですが、ユキトさんのイデアが秀逸だと声を大にして叫びたい! あの演技の時ってどういう感覚なんですか? 演者さんによってキャラに入り込む方がいますが、そういう感じなんですか?
 
ユキト:
キャラについては深くは考えないかもしれませんね。全く考えてない訳ではないんですが、がっつり感情移入している訳でもありません。
イデアと私は違う存在だと思った上で、イデアはこう思っているだろうなと考えます。
 
幸橋:
それであの演技が出来るって凄いですね。
 
ユキト:
イデアは他に比べてキャラっぽくないというか、人間ではないけれども自然な感じだったので、その自然さは意識しましたね。
 
幸橋:
ちなみに得意な演技はあるんですか?
 
ユキト:
演技が乗るのがカワニナ*9のファイユのような声と演技でしょうか。声が乗りやすいですね。
舌がまわりやすい声というか、出しやすい高さというか。低めのしっかりした感じは声が出しづらくてやりづらいかもしれません。
 
幸橋:
カワニナルもGood Bye NICOLASも、あと、或る夏のモルテ*10もそうですが、人間カプリチオさんとユキトさんがタッグを組んだら最強と思っているんですよね。
 
ユキト:
ハクさんのシナリオが良いから持ち上がっているだけだと思いますが。
 
幸橋:
そんなことありません!!(被せ気味に)
 
ユキト:
ありがとうございます(笑)先ほどのイデアの時に言いましたが、 他のボイスドラマで演じる時よりはハクさんの脚本は自然にやろうと思っているかもしれません。作り物のキャラという感じじゃなくて、画面の向こうというよりはここにいる感じです。
 

『バイノーラル放送』

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幸橋:
ちょっと訊いてみたいなと思っていたのが、バイノーラルマイクを使った放送をされているじゃないですか。
 
ユキト:
ああ、してますね(笑)
 
幸橋:
もしかして、私の周りだけかもしれませんが、バイノーラルマイクを使っている方はあんまりいないので、珍しいなと思っているのですが、こうシチュエーションボイスとか最近流行りの耳かきボイスとかをやっている人では使っている方は多いんですか?
 
ユキト:
私が知っている範囲でもそんなに使っていないと思いますよ。
 
幸橋:
なんで買おうと思ったんですか? また、なんでそれで放送をと?
 
ユキト:
元々、立体的な音を聴くのが好きだったんですが、とみみ庵のとみみさん*11から依頼を貰ってやってみて、面白いなあと思ったんです。
 
幸橋:
バイノーラルマイクというとあの人間の頭の形を想像してしまうのですが、ユキトさんのお持ちのマイクはちょっと違うんですよね。
 
ユキト:
はい。お手頃価格で買えるイヤホン型のマイクです。
 
幸橋:
イヤホン型? どう使うんですか? イヤホンと言うからには耳に付けるとか?
 
ユキト:
自分の耳に付けてしまうと、聴いている人に囁きかけている風にならないので(笑)
 
幸橋:
そ、そうですよね(汗)
 
ユキト:
私は肩まであるマッサージを練習する用のマネキンに付けて使っていますね。
 
幸橋:
あ、結局は、使い方は同じなんですね。つまり、マネキンに話しかけるという。
 
ユキト:
そうですね。収録風景を見られるとあやしく見えるやつです(笑)
 
幸橋:
バイノーラルマイクでの放送の反応はどうですか?
 
ユキト:
旬なので反応は多いですよ。
 
幸橋:
私も何度か聴いた事がありますが、結構リアルというか、飲み物を飲んでいる音とかすごく間近に聞こえるんですよね。
バイノーラルマイクでという依頼はあるんですか?
 
ユキト:
スタジオでの収録はあるんですが。自宅で録る依頼はまだないですね。定期的にあるのは、私が親戚と呼んでいる彼女*12がやっているシリーズものですね。
 
幸橋:
親戚さんですか(笑)
 
ユキト:
親戚です(笑)
 
幸橋:
でも、バイノーラル風な音声をという依頼は世の中にない訳では無いんですよね。そういう場合、ユキトさんは良いですが他の方はどうしているんでしょう?
 
ユキト:
ちゃんとバイノーラルで録りたいという人はバイノーラルマイクを持っているかもしれませんが、一応普段のマイクで収録した音声をバイノーラル風に編集できます。
初めて出演したとみみさんの作品も普通のマイクで収録して、バイノーラル風に編集していただきました。

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『長く活動を続けるには』

 
幸橋:
ユキトさんは前からコンスタントに作品に出演していて浮き沈みがないじゃないですか。がつがつ精力的に活動しているのも良いと思うのですが、ふっと熱が冷めるように消えてしまうと悲しくて。私個人はユキトさんみたいに続けられるのは理想的だなと思うんです。
 
ユキト:
自由にやっているだけです。やらないといけないという訳では無いので、自分のペースでやっている感じです。
 
幸橋:
もうしんどい止めよう! と思ったりはしないんですか?
 
ユキト:
ないですね。切り出しはいつもしんどいですけど、やめたいとかではないですよね。
 
幸橋:
活動履歴を拝見して依頼が無いということはないと思うんですが、依頼が多くて大変だったということはあるんですか?
 
ユキト:
依頼が来て困るということはなかったですね。今は表だって応募していないので、忘れられていると思いますよ。
 
幸橋:
そんなことないですよ! 私が勝手にやったボイドラのアンケート*13がありますが、ここでも好きなボイスコさんは誰かという質問で一番回答が多かったのがユキトさんですから。
 
ユキト:
自分では、ボイスコおばあちゃんだと思っているのですが(笑)
周りの知り合いが依頼してくれて、その人たちが大きなサークルになって、その作品に出ているから認知されているのかもしれません。
 
幸橋:
こんなこと言うのも変ですが、ユキトさんの雰囲気ってリアルファイユみたいですよね(笑)
 
ユキト:
えー(笑)マイペースですが、ファイユほどではないと思いますよ。
 
幸橋:
がつがつしてない感じがなんとなく。いらっしゃるじゃないですか、依頼欲しい依頼欲しいという方が(誰とは言わない)
 
ユキト:
私も依頼してよね! と思ってますよ。がんがん出たいです。
 
幸橋:
そうなんですね。でも、ユキトさんは依頼に悩まなさそうなイメージです。企画者さんでユキトさんに依頼したいという声聞きますよ。常に安定しているというか、安心して頼める信頼感があるんだと思います。
 
ユキト:
むしろ、ずっと安定しないなと思っていますよ。ただただ長くやっているだけで、全然うまくならないって。なので、依頼してくれる人脈ありがとうって感じです(笑)
 
幸橋:
人脈も実力の内ですよ。では、どういう作品だとテンション上がりますか?
 
ユキト:
そう言われると、実はこの作品だからテンションが上がる落ちるというのはないかもしれません。いつも同じ熱量というか。
 
幸橋:
それは逆に凄いですね。やっぱり人間好き嫌いあるものだと思いますが。
 
ユキト:
作風ではなく、スタジオ収録になると返答があるので、テンションが上がるかもしれませんけど、 ボイスドラマに限って言えば、同じ熱量かもしれませんね。
 
幸橋:
ボイスドラマではないものはあるんですか?
 
ユキト:
ゲームはアクションなので、「はっ!」とか「やっ!」とかいつもより淡々と作業に近いかもしれません。
 
幸橋:
話が脱線しますが、長くやってきてこの人は凄いと思った演者さんはいますか?
 
ユキト:
たくさんいらっしゃいますが、Greedian*14の「VANISH: CODE」*15が作品としてすごいと思っているんですが、
 
幸橋:
主題歌の歌唱でユキトさんも参加されてますよね。あの歌すごく好きなんです。 
 
ユキト:
はい、スタッフで参加していたので、台本を貰っていて、どう演じるのかなと思っていたのですが、ヒロインのシェリー役の音枝優日さん*16は、台本の読みこみが凄いと思いました。
 
幸橋:
確かに演技に重みがありましたね。
 

『今後について』

 
幸橋:
最後に今後やってみたいなという役があれば教えて下さい。
 
ユキト:
ざっくりと言うと感情爆発させる役をやってみたいですね。
 
幸橋:
ああ、なるほど。確かにユキトさんではそういう役見かけないかもしれませんね。
 
ユキト:
強いて言うなら眼鏡割りのエルザ*17、古術師あかつきの受難のセン*18は近いかもしれません。
 
幸橋:
あのヒステリックな感じですね(笑)
 
ユキト:
ああいうのでなくても、じわじわ来てどーんというのも。それをメインキャラでやりたいですね。
 
幸橋:
聴きたい! そのご予定は?
 
ユキト:
絶賛募集中です(笑)
 
幸橋:
残念(笑)私もその依頼がユキトさんに来ることを願っています。
 
 以上です!
ユキトさん、ありがとうございました!
 
『後記』
なぜか聴いた人を惹きつけてやまないユキトさん。私も同じく出演作品を聴いてファンになった1人ですが、 程よく力が抜けた自然体が心地良いのかもしれませんね。インタビュアーがなぜか癒されているという緊張感の無さ←
 作品名もいろいろ出ているので、気になった作品はぜひ聴いてみてくださいね。 
私の一押しイデアの出て来るGood Bye NICOLASは聴けませんが(泣)
 
***
インタビュアー/幸橋

幸橋 (@kusanotsuki) | Twitter

ボイスドラマリスナー。
2009年よりボイスドラマ作品を聴き始め、2013年より開始した感想メモブログ「視聴note」にてボイドラ関連の記事が700件を突破(2017年6月時点)

 

*1:ハスキーな声が素敵な女性演者さん。おにぎりワゴンというボイスドラマサークルを運営する企画者さんでもある。「ボイドラと人」第2回のゲスト http://onigiriwagon.sakura.ne.jp/

*2:ユキトさん、つきしろあこさん、みや。さんの3人に企画者によるボイスドラマ作品。家庭用アンドロイド「アリス」とアルスが普及してから流行り始めた精神病「虚無病」にまつわるお話 http://ironashi.net/lost_alice/

*3:ハーモスフィアさん企画の音声ドラマ。カメラとピアノで紡がれる、夏の夕暮れの物語 http://harmosphere.net/amber/

*4:ウスイハクさんのボイスドラマサークル。惜しまれつつ休止。しかし、再開するらしいという風の噂に幸橋はドキドキを隠せない https://twitter.com/humancapriccio

*5:人間カプリチオさん企画の短編ボイスドラマ作品。バーチャルの世界に理想の景色を生み出そうとする孤独な少年ニコラスとコンピューターのバグである少女イデアのお話

*6:おにぎりワゴンさんの作品。中学生の時にあった事件の懺悔を手紙形式で語る短編。http://onigiriwagon.sakura.ne.jp/haikei/

*7:むつのはな。さん企画ボイスドラマ。学園祭の準備に追われていた写真部部長の千智。疲れて眠りこけていた彼女の唇に誰かがキスをした http://mutuhana.bufsiz.jp/

*8:籠ノ町(かごのまち)という四方山で囲まれた 閉鎖空間ともいえる町でおりなす現代和風ファンタジー。 https://jitsuradi.booth.pm/items/285917

*9:他人と関わらない東間湯一、彼と同じアパートに住む同じ大学の先輩のファイユ。ファイユのペースに乗せられて彼らの関係は段々と近くなっていくが……

*10:余命短い少年とその少年に付き添う少女のある晩夏のお話

*11:バイノーラル音声作品や耳かきボイス作品を制作しているサークルさん http://blog.livedoor.jp/tomimi_nico/

*12:箱河ノアさん。成人向け作品メインの演者さん。ユキトさんとは声の似た親戚らしい…… https://twitter.com/hako_noah

*13:幸橋がブログで実施した好きなボイスドラマサークルやサークル、演者スタッフさんを回答するアンケートhttps://ameblo.jp/yukibashi/entry-12277055158.html

*14:演者の春希ジュンさんのボイスドラマサークル。「身近に潜む狂気」をテーマに製作 http://www3.to/greedian

*15:見た目は人間そのものだが性格や行動がプログラミングされた生体応用工学技術「プログロイド」という存在が生まれた世界で、プログロイドだけが暮らす宇宙船に半ば幽閉される形で暮らすシェリーは人間らしい生活を取り戻そうとして…… http://gomikuzu.boo.jp/vc/

*16:女性演者さん。スピリチュアルタロットカウンセラーもしている多才さ。意志の強さが声に現れた女性役が好き、と幸橋が言っていた← http://arucanagarden.web.fc2.com/

*17:正式タイトル「GLASSES BREAKER’S Ⅲ」何でも屋のエドと彼のパートナーである少女のノエルが活躍するハードボイルド系作品。なぜか最後には敵の眼鏡を割る http://gbreakers.web.fc2.com/3/index.html

*18:真組企画のボイスドラマ作品。「古術師ひぐらしの遺書」の続編。千年の時を生きた誉れ高き古術導師、日暮の死後、彼の後を継いだ息子暁のもとに日暮の旧友、古術師の宵が訪れる…… http://magumi.xyz/junan/