ボイスドラマ活動者インタビュー企画「ボイドラと人」

ボイスドラマ作品に関わる活動者さんにインタビューし、活動内容や思いを聞き出そう! という自称ボイスドラマリスナーの幸橋による連載企画です

第4回『葵依幸さん』 ~後半~【ボイスドラマ活動者インタビュー企画「ボイドラと人」】

第4回葵依幸さんのインタビュー後半です!
前半がまだの方はこちらから先にどうぞ。
 
前半
 

 

『創作処「彩奏」について』

 

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幸橋:
先に作品名が出てきてしまいましたが、創作処「彩奏」になっての第1作「レイニーライン」が完結しましたね。
ちなみに、なぜ、ねこ玉から彩奏(カラーテイスト)に変更したんですか?
 
葵依:
ねこ玉が劇団だったことは先に言った通りですが、その劇団のメンツが地元に帰ったりなんだったりでいなくなっていきまして。今ではほとんど残ってないのに、劇団ねこ入玉手箱という名前でやっているのもどうなんだろうと思ったんです。だから、名前を変えました。
 
幸橋:
名前の由来は何なんですか?
 
葵依:
カラーテイストという言葉はどこかで使いたいと思っていました。音媒体でやろうと思った時にマンガでもなくアニメでもなく音声だけで想像するジャンルとして、うまい具合に昇華したいなと思いました。
 
幸橋:
サークルが変わってから何か違いはありましたか?
 
葵依:
うーん、どうなんでしょう。書いている人間は同じですからね。
「レイニーライン」も「春にとける」*1のメインキャストでまたやりたいねという話があってのことでしたので。
カラーテイストにかけて色をかけた作品にはしましたが、正直、+αをやる余裕がありませんでした(苦笑)
 
幸橋:
そう言えば、レイニーラインの前からキービジュアルがある作品がありますよね。
 
葵依:
はい、幻の1作目「生存日和」ですね。ディスク2枚組くらいの量で書いていたのですが、書いている内に4枚組の量になって、これは流石にきついと思って書き直したんです。でも、メンバーのまっさん*2に今度はそれが面白くないと言われ、キャストさんのスケジュールが合わなくなったという理由もあり、今は公開は未定です。
 
幸橋:
そうだったんですね。次回作を作っているみたいだったので、次に出て来るのかと思っていました。
 
葵依:
今は違う作品を進めているのですが、出来れば3作目にとは考えてます。
 

『脚本の書き方と配信方法』

 
幸橋:
話に出ていたサイレントワールドやロストデイズは脚本の妙を感じる作品なのですが、脚本書く際に自分なりのルールってあるんですか?
 
葵依:
セリフのテンポ感や各話の導入は気を付けますね。書き終わった後にそれを改稿して、一から書き直します。
 
幸橋:
うん……? 改稿してから、書き直す?
 
葵依:
はい。初稿ではぐちゃぐちゃだったのが、書き直すと見えてくるものがあるんですよ。
 
幸橋:
え、あの量を1回書いて、それをまた最初から書き直すんですか……? すごいですね……
 
葵依:
逆にロストデイズ、ヒナゲシは最初と変わらないのですが、最初の面白さが残っているのかもしれませんし。難しいですね。
 
幸橋:
なるほど。他には?
 
葵依:
オーディオドラマなので、状況説明をしているけれど、状況説明の台詞にならないように入れています。今どこにいて何をして誰々かとわかるように 説明するよりも話の流れで察して、気づいてもらうのが理想ですね。会話の中でメインストーリーを進めつつ、説明できるようにしたいと思っています。
もともと活字媒体が好きなので、映像じゃなくて言葉だからこそ伝わるニュアンスとか、また、音媒体なので、声のトーンとテンポ、韻の踏み方は気にしています。
 
幸橋:
そう言えば、ねこ玉さんとからてすさんの配信の仕方は少し変わってますよね。無料公開もして、CDでも頒布して。
 
葵依:
はい。CDでは出来る限りおまけのような何かは付けますが、間に合わない場合は同じものをCDとして売ってますね。レイニーラインも間に合わなくて苦肉の策として、無料配信を遅らせました。でも、全話公開しているのに、未だに購入があって、そういうリスナーさんがいると勇気をもらえますね。
 
幸橋:
あとはpodcastを駆使しているイメージがあります。意外にpodcast使っているサークルさん少ないですよね。
 
葵依:
podcastは外側に向いている配信媒体だと思っています。
今はネット配信でアニメなどが昔より見やすくなっているので、その中で好んでボイスドラマを聴く人は少ないと考えています。でも、ある一定数ラジオを聴いている層がいてそういう人たちがいるのがpodcastだけだと思います。
 
幸橋:
なるほど、そういう方々なら、ボイスドラマの存在を知れば、聴く可能性が高そうですね。
 

『作りたいものを作るだけではなく、より多くの人に聴いてもらえるように』

 

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幸橋:
前から気になっていたのですが、ねこ玉さん時代から作品を作る理由……というのは何だったのでしょう?
 
葵依:
と、言うと?
 
幸橋:
少し嫌な言い方ですが、ねこ玉さんの作品は、あくまでリスナーに受けるものは何かと研究していった上での現在の作品という気がするんです。思考が同人よりも商業的だなと。ですが、その一方でねこ玉さんを支持しているリスナーが商業のような大多数には迎合するものとは違う何かを求めているという点も汲み取っている気がします。
 
葵依:
そうですね。商業っぽい思考は否定できませんが、お金目的では無いので、好きなものを作るのが第一です。好きで作ったものだから、より多くの人に届けたいと思うんです。だから、どうやったら聴いてもらえるかを考えます。
好きなものを作ってそれだけをしていたいというのが本音ですよ。でも、続けるのは製作費と売り上げがとんとんになるようにしたいので、ニッチ過ぎるものを作ると難しいと思います。でも、やっぱり作りたいから作っているが理由ですかね。
 
幸橋:
作りたいから作れるって凄いですね。自分が飽き性なのもあるんですが、私だったらなかなか継続して作れないと思います。
 
葵依:
自分も情熱だけでやっている訳じゃないですよ(笑)リスナーさんの声に助けられています。創作は孤独な作業なので、反応がないとなんでこんな苦しい事をやっているのかと思いますよ。
 
幸橋:
ちなみに、ねこ玉さんからからてすさんに切り替わるくらいにボイスドラマを作るのをやめるという話がありましたが、あれは本当にやめるつもりだったんですか?
 
葵依:
あれは本気でやめるつもりでした。結婚して私生活も忙しくなると思いましたし、ちょうどリスナー数も増えなくなって、もう良いかなと。
 
幸橋:
でも、今も続けている理由は?
 
葵依:
嫁がやめるなんてもったいないと言ったんですよ。だから、あ、はい、続けますと(笑)
 
幸橋:
お嫁さんグッジョブ(ボソッ)
 
葵依:
リスナーからも求められる声があればやめなかったと思いますよー
 
幸橋:
嘘ですよ! 数多くいるリスナーの中の1人にそんな力ないって泣いて諦めちゃいます。
 
葵依:
いやいや、それを言うならサークルも数多くあるサークルの1つでしかないですからね。
 
幸橋:
えー……その辺りの意見は相いれませぬな。
 

『次回作と今後について』

 
幸橋:
秋のM3は出られないそうですが、次回作はいつ頃でしょう?
 
葵依:
他のサークルさんから話があってバトルものを書きました。
 
幸橋:
他のサークルさんなんですね。
 
葵依:
バトルものは編集が面倒くさくて、ロストデイズでやって自分ではもうやりたくないと思ったので。
 
幸橋:
えー(笑)
 
葵依:
からてすでは、サイレントワールドのようなややこしい人間関係とどんでん返しをやりたいなと思っていて、それは秋から冬くらいですかね。
 
幸橋:
予定が無くても良いんですが、他には今後何かやってみたいことはあるんですか?
 
葵依:
軽いテンションで気晴らしに聴けるストーリーがやりたいですね。ユル活とかラーメン極楽みたいな感じで、重い空気ではないもの。春にとけるやシロネコテイルは聞くのに肩ひじが張るじゃないですか、気軽に聴けるけれど、ストーリーはちゃんとある作品は作ってみたいですね。
あとは商業的になりますが、形の無い文化に対してお金を支払える流れを作りたいですね。無料で聴こうと思えば聴ける世の中なので。
 
 
 
以上です!葵依さん、ありがとうございました!
 
<後記>
葵依さんは私が知るボイドラ作品の脚本執筆者の中でもトップクラスの方だったので、ぜひ脚本について話を聞かねば! と思っていたのですが、どちらかというと葵依さん企画作品の中で好きな作品が同じだったことに盛り上がってしまったインタビュアーなのでした。ヒナゲシの唄は無料公開してないのですが、聴いてね!←
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インタビュアー/幸橋
ボイスドラマリスナー。
2009年よりボイスドラマ作品を聴き始め、2013年より開始した感想メモブログ「視聴note」にてボイドラ関連の記事が700件を突破(2017年6月時点)

*1:母が病院に勤める葉流は病室で物語を綴る少女冬華に出会う http://neko5.sub.jp/hp/haru_ni_tokeru.html

*2:劇団ねこ入玉手箱に引き続き、創作処「彩奏」にて演出を担当。 https://twitter.com/kuronumassan