ボイスドラマ活動者インタビュー企画「ボイドラと人」

ボイスドラマ作品に関わる活動者さんにインタビューし、活動内容や思いを聞き出そう! という自称ボイスドラマリスナーの幸橋による連載企画です

第6回『忠誠心さん』 ~後半~【ボイスドラマ活動者インタビュー企画「ボイドラと人」】

こちらは第6回忠誠心さんのインタビューの後半です。
前半がまだの方はこちらから先にどうぞ。
 

 

<目次>
 
 

『好きなジャンル、得意なジャンル』

 
幸橋:
様々なジャンルの作品で構成されるここミルですが、忠誠心さんは正直どのジャンルが得意なんですか? 個人的には小気味いいシャレや皮肉がスマートに入っているのが得意そうなイメージなんですが。
 
忠誠心:
得意なジャンルはぱっと思いつかないですね。苦手なジャンルはありますが。
 
幸橋:
それは何ですか?
 
忠誠心:
ラブストーリーです。実は、ここミル#4はラブストーリーの予定なんですけど、ラブストーリーとは似て非なるものが出来上がるかも。
 
幸橋:
それはそれは(笑)でも、確かにこれまでがっつりラブストーリーは無いような気もしますね。
 
忠誠心:
得意不得意の前に、舞台の時もそうでしたが、脚本を書いているからには、書けないというのはダメだと思っているんですよね。
得意なジャンルか……頭を使うのは比較的得意なのかな? とは思います。得意だったらそのジャンルの作品をたくさん書くと思うのですが、何度も書くジャンルが無いんですよね。
これまで書いたのは、SF、ヒューマン、タイムリープ、チャンバラ、ゲームもの……
強いて言うならタイムリープものは好きかもしれません。ミステリーも好きですが、ある意味極めたいものはそれですかね。
 

『リーディングライブ Lunette、ゴールデン・カンパニュラ』

 
幸橋:
十六夜工房さんは去年と今年とリーディングライブをしていると思うのですが、実際はその前からされていたんですか?
 
忠誠心:
舞台自体は3~4回くらい上演して、それ以外は、細々と依頼された脚本を書いていました。
リーディングライブは去年のLunette、今年は合同での実施でしたが「ゴールデン・カンパニュラ」ですね。
 
幸橋:
あ、じゃあ、私も観に行った2つで良いんですね。
では、Lunetteが十六夜工房さんとしては初めてのリーディングライブで良いんでしょうか。いかがでしたか?
 
忠誠心:
実は失敗談があって、最初の研究所の話のオチのためには演者が本(実際は台本)を読んでいるというのを見ないと成り立たないような造りにしてしまったのですが、お客さんの1人が開始と同時に目をつむってしまって、失敗したと思いました(苦笑)
 
幸橋:
あれ、意図があったんですね。
 
忠誠心:
そうです。台本替わりにタブレットを使っていたのも実はこちらからの指示で作業している風に見せかけていたんですよね。
 
幸橋:
そうだったんですね、何も考えず見ていました(苦笑)
では、ゴールデン・カンパニュラはいかがでした? 個人的にはボリュームがあるリーディングライブだなと感じていましたが。
 
忠誠心:
自分が書くとどうしても長くなるんですよ。あと、演目の「ディアー・ミスター・ボーダーランド」が暗いお話だったので、最後、暗いまま終われないと思って「中堅戦隊ディフレンジャー」を最後にも入れたので、益々長くなりましたね。
 
幸橋:
ディフレンジャー好きですよ(笑)
 
忠誠心:
ディフレンジャーは、最初、主宰の鎌田*1から特撮をやりたいと言われて、純粋な特撮だと音響が大変なので、じゃあ、今はおちぶれたヒーローの特撮ものにしようと思ったんです。あれはブラックがひどかったでしょ?
 
幸橋:
良い意味で(笑)ずっと笑ってました。宮下さん*2、すごい人ですよね。
 
忠誠心:
ディアー・ミスター・ボーダーランドも膨大でしたし、「乙女のための胡蝶枕」は女性向けのシチュエーションボイスのような作品でしたが、出演者が多かったので、それぞれが演じるシチュエーションの説明が長引いてしまいましたね。
 
幸橋:
ディアー・ミスター・ボーダーランドは個人的にライブよりも音声作品向けだと感じているんですよね。SFですし、最初に出会った少年たちが大人になって再会するまでのことも出来れば聴きたいですし。CD化のご予定はないんですか?
 
忠誠心:
ディアー・ミスター・ボーダーランドはあれで完結しているんですよね。最後の終わり方はあれはもやっとしてくださいという感じで書いたのですが、続きを聴きたい、真ん中の描かれなかった部分を聴きたいというお声は頂くので、前向きに検討したいとは思っています。
ディアー・ミスター・ボーダーランドもあんな作品を書いたのはここミル#2と同じで初めてで、えらいものを書いてしまったと思いましたよ。
 
幸橋:
わーい、言質とりましたよ! 待ってますから。
 

『忠誠心さんの脚本の特徴とは』

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幸橋:
忠誠心さんの脚本というのか、十六夜工房さんの脚本というのか、積み木を積み上げているイメージなんですよね。
イメージという端っこがぼんやりしているのではなく、要素の形は明確で、はっきりした要素を積み上げて物語を作るので、型がしっかりして物語もちゃんと完結しているように見えるけど、実はよくわからない部分も多いという。
 
忠誠心:
確かに枠は決めているので、そういう意味では見切り発車ではないですね。キャラや物語に感じるもやっとした部分も、端っこじゃなくて中身なんだと思います。積み木みたいに積んでいって、出来上がったように見えるけれど、実は中身がブラックボックスみたいな。
ミステリーはめちゃくちゃ考えるのですが、積み木ひとつひとつ、あそこにもそこにも虫食いがあって、次の作品でも同じように虫食いがあって、繋げてみると迷路になっていたという、そういうものは目指していますね。出来ている自信はありませんが。
 
幸橋:
他の方からは忠誠心さんの脚本はこうですよねといった事は言われるんですか?
 
忠誠心:
舞台をやっている人にはアニメっぽいと言われますし、音声劇をやっている人には舞台っぽいと言われることは多いかもしれませんね。
 
幸橋:
ボイスドラマは独学との事でしたが、それ以外の舞台などの脚本も独学なんですか?
 
忠誠心:
資料として本を読んだことはありますが、舞台も独学ですね。アニメの脚本は見たことがあるのですが、舞台は特に他の人の台本は見てなくて、前に作った作品の反省を繰り返して書いています。
 
幸橋:
そうだったんですね。素人目ですが、聴きやすい造りになっているので、どこかで勉強されているのかと思いました。
アニメの脚本は見ているというのは意外です。
 
忠誠心:
仕事がらアニメの職業台本を見て来ましたね。
だから、自分は今、すごくラッキーな場所にいるなと思うんです。アニメでは絵コンテでセリフが変わったりとばされたり、脚本家の思った通りにいかないのは当たり前ですが、自分は好きな脚本が書けて好きな役者さんを決められて、演出さんや編集さんに意見を伝える事が出来て、全部出来るのが幸せな事だと思います。
でも、一方で職業の台本を見ているから、脚本は書いたら終わりという考えもあって、言いたいことは全部脚本に書いてしまいます。その書き方はリーディングライブも芝居も変えていませんね。
 
幸橋:
なるほど。アニメはとても整然としている一方で個性が薄まっていると思うことがあるのですが、完成までに色んな人の意図が入るからなのかもしれませんね。
 
忠誠心:
ですが、脚本はやはり設計図でしかありません。
脚本が良いから作品が良くなる訳では無くて、演出と役者さんが作った音声があって、合わせる編集さんと音響さんがいて作品が出来上がります。役者さんが上手く演じてくれたから、自分の脚本も良いと言って貰える。脚本は到達点ではなく土台と思っていて、それが大事だと思っています。
ボイスドラマの企画者は本も書いて演出も全部やることが多いので、変な方向に進んでしまうと、自分の思っている方向へ向かって役者さんにこうして欲しいああして欲しいと指示ばかりしてしまいます。自分は自分のアイデアは面白くないと思っているので、役者さんにアイデアを出して欲しいし、そのアイデアを引き出せるようにしたいとも思います。
役者さんありきだと思うんです。 脚本も聴いて欲しいと思いますが、一番は役者さんの演技を聴いて欲しいですね。
 

『今後の予定』

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幸橋:
では、最後に今後のご予定を。
 
忠誠心:
ここミル#3は既に頒布しているのですが、こちらを持って10月に開催される秋のM3に参加します。
あとはもう少し先になるのですが、ここミル#4の前にアペンド2を出す予定です。アペンド1よりひどいので、期待してください(笑)
 
幸橋:
アペンド1よりひどいんですか(笑)お腹痛くて1日動けなくなるかも。
それはいつ頃頒布なんですか。
 
忠誠心:
まだ決まっていませんが、来年春のM3を目標に出したいと思います。
 
幸橋:
またリーディングライブをするという話をちらっと見かけましたが?
 
忠誠心:
今回のお話にも出た、5月に上演した「ゴールデン・カンパニュラ」のDVDリリースイベントを12月2日、3日に行うことになりまして。
 
幸橋:
DVD出るんですか!? 予想外の展開です。具体的にイベントは何をするんですか?
 
忠誠心:
主には、その時の公演を上演しつつ、出演してもらったキャストさんにコメントしてもらう「生コメンタリー上映」という一風変わったイベントに挑戦しようと思っています。
5月のイベントに来ることが出来なかった方やもう一度観たい方には公演を観るチャンスですし、キャストさんの裏話も聴けるので、ぜひとも来てもらえるとうれしいですー。……多分、私もどこかでゲスト参加しますので(笑)
 
幸橋:
なるほど。そして、公演の詳細はこちら!(注釈)*3

 
忠誠心:
注釈機能を使うなんて手を抜きましたね。
 
幸橋:
そ、そんなことないですよ(汗)読みやすさを考慮してのこの形です。
というわけで、以上、十六夜工房の忠誠心さんでした! ありがとうございました!
 
 
 『後記』
第1作目にしてシリーズものという無謀さ、けれど、実力派揃いのキャスト陣、出てきた時はなんだこの団体……と異様さを感じた十六夜工房さん。お2人の人柄に人が集まったのでしょう。同時に誰から教わるのではなく、自分たちで確実に積み上げてきた確かさを感じます。最初から聴きやすかったのですが、それは器用という軽いものではなく、見えない努力の賜物なんだろうとお話を伺って思いました。
 ここミルは完結まで気長に待ちながら楽しみましょう(笑)
 
***
インタビュアー/幸橋
ボイスドラマリスナー。
2009年よりボイスドラマ作品を聴き始め、2013年より開始した感想メモブログ「視聴note」にてボイドラ関連の記事が800件を突破(2017年9月時点)
 

*1:鎌田聖子さん。役者、MC、司会、イベント企画・制作で活動中。 https://twitter.com/orangesk72

*2:宮下弘充さん。声優 https://twitter.com/Hiro_Miyashita

*3:

『パニュラ工房 金パニュエクストラ!〜more漢祭〜』
12月2日(土)、12月3日(日)の2日間。

①12/2土曜
下北沢Reading Cafeピカイチ
https://ameblo.jp/rc-pikaichi/
☆昼回:開場13:30/開演14:00
【上演作品:中堅戦隊ディフレンジャー/もう帰ってきた中堅戦隊ディフレンジャー
【ミニコーナー:蝴蝶枕リターンズ☆】

★夜回:開場17:00/開演17:30
【上演作品:ディアー・ミスター・ボーダーランド
【ミニコーナー:蝴蝶枕リターンズ☆】
◼︎チケット代:
【通常】2,000円+ワンドリンクのご注文
【DVD付き】4,100円+ワンドリンクのご注文

②12/3日曜 東中野バニラスタジオ
http://vanilla-studio.net/0_map.html

☆昼回:開場13:30/開演14:00
【上演作品:ディアー・ミスター・ボーダーランド
【ミニコーナー:蝴蝶枕リターンズ☆】

★夜回:開場17:00/開演17:30
【上演作品:中堅戦隊ディフレンジャー/もう帰ってきた中堅戦隊ディフレンジャー
【ミニコーナー:蝴蝶枕リターンズ☆】
◼︎チケット代:
【通常】2,500円(ワンドリンク代込み)
【DVD付き】4,600円(ワンドリンク代込み)

詳細・続報は十六夜工房、またはカンパニュラのツイッターアカウントにてお知らせします。