第2回『みや。さん』 ~前半~【ボイスドラマ活動者インタビュー企画「ボイドラと人」】
ボイスドラマ活動者インタビュー企画「ボイドラと人」の第2回目は演者でもあり、ボイスドラマサークル「おにぎりワゴン」の企画者でもある「みや。」さんです!
こんにちは、洗濯途中で洗濯機が壊れてちょっとふぎゅっ!?と変な声が出た幸橋です。まだ暑さの残り洗濯物も多いこの時期に洗濯機が壊れるとは……
という訳で、全く関係ない私の近況から入りましたが、今回のゲストは、みや。さんです。
今回は演者というよりも企画者のみや。さんにフォーカスしています。
完成を迎えた長編ボイスドラマ作品「LAST desire」やこれまでの作品でインタビュアーが感じた印象を掘り下げて訊いてみました。
テーマはずばり「人のゆがみ」
【本日のゲスト】
みや。さん
演者、企画者。
ボイスドラマサークル「おにぎりワゴン」の企画者。そのハスキーボイスから少年役の出演作多数。この頃は女性役も増えて来たとか。
出演可能な役:少年、女性(若い)、女性(中年)※依頼受付中
<目次>
『2006年からの活動歴11年』
うちは親が新しいもの好きで、小学校から普通にネットを使っていたんです。
中学2年か3年くらいの時に、ボイスドラマをネット上で見つけて、その頃既に声優さんが好きだったのですが、 プロなのかどうかもわからないまま聴いていましたね。
演じることにも興味があったのですが、その時はまだリスナーのままでした。演技に携わる様になったのは、高校時代の演劇部からです。ボイスドラマで演技を始めたのは、部活以外でも演技がしたくなったのと憧れのボイスコさんと共演したい! と思ってですね。高校2年生の時に数千円のスカイプマイクをPCに直差しで始めました(笑)
高校生……今では高校生ですという方をよく見かけますが、みや。さんの高校生時代ってそんなにボイスコさんはいなかったんじゃないですか?
いえ、中学生の時からボイスドラマに参加していたという人いましたよ?
!? え、だって、中学生って、私、まともにメールも使えなかったけど……あ、私はみや。さんとほぼ同世代なんですが、その時にボイスドラマ作品に参加して収録してたって、いったい……(混乱)
落ち着いて下さい。
す、すみません。ちなみに、共演したい方は誰だったんですか?
それは確かに残念ですね。2006年と言えば、企画を主催したのも2006年ですよね?
はい。でも、いきあたりばったりで、企画をどう進めるのかもわかりませんでした。
台本編集を全部やるのも初めてで、モチベーションを保つのも難しいし、スタッフキャストさんとの連絡も難しい。
加えて、高校生活が忙しいしで進まなかったんです。
それで、最後にはキャストさんに謝って、企画を中止してしまいました。
学生生活と両立は難しいですよ。
前々から気になっていたのですが、みや。さんは脚本や演技はどこかで学んだんですか?
『ボイスドラマ界のタブー【バトルもの】にチャレンジした「LAST desire」』
バトルものに挑戦というのは意識していたんですか?
先ほど台本の書き方を学んだことがあるのか質問した理由でもあるのですが、正直、このレベルの脚本を書ける人はボイスドラマ界隈ではほとんどいないと思っていて、特に演者も兼ねている方だと片手で数えられる程度だと思っています。
台本はしんどかったですね。でも、アニメを見ているかのように楽しめる作品をという目標があって、面白いと思って欲しかった。
長編ですもんね。あのボリュームになることは最初から想定していたんですか?
はい。アニメのような物語を作ろうと思ったら、長編にならざるを得なかったんです。
そ、それは、……考えるだけで血の気が引きますね。あの大作でですよ。
もしかして、制作開始前に台本が出来ていなかったのは、企画倒れした処女作以来ですか?
考えると、そうかもしれませんね。
嫌な予感とかなかったですか、もしかしたら、これも……とか。
いえ、やるしかない。やる以外道はないと思っていました。追い込まれていたんでしょうね。
そういうところが、10年の経験を積んだ差なのかもしれませんね。
『長編を実現させたモチベーション?』
今、話にも出てきた処女作の時は、モチベーションが保てずにぐだぐだになってしまったとの事でしたが、LAST desireで凄いと思ったことの1つがモチベーションだったんです。あの長編を個人で企画して制作するのはかなりハードル高いと思いますが、完結させるに至ったモチベーションは何だったのでしょうか?
他者に自分の作品を聴いて貰えていることを実感してからは、聴いて貰い、感想をもらえる事がモチベーションになったと思います。
その聴いてもらえているという実感がない企画者さんも多いと思いますが、みや。さんはいつ頃からそういう実感が湧きましたか?
『アクションものの工夫』
アクションシーンを書く時に参考にしたものはありますか?
特別参考にしたものはありませんが、以前からアニメを音だけで聴くことがあり、どうしたら耳だけで情景が浮かぶのかを考えることはありました。
工夫したところは何でしょう?
戦闘を単純化したことですね。LAST desireは舞台が近未来でゲームの世界で戦うので、設定は何でもありに出来るんですが、聴くとわかるようにみんな泥臭い戦い方をしているんですよね。
私がこれは上手いなと思ったのは、同じ攻撃を繰り返すところでしょうか。最初の攻撃でどういう攻撃かを説明して2回目はもう説明してしまったので、説明をはぶく。これだと説明が無くても想像出来るので、バトルのテンポも阻害しない。
それも工夫の1つですね。気づいてくれて嬉しいです(笑)結構多用しています。
そうなんですか? でも、これ前にも同じことやっているなという感じはしませんでした。あんまり気にならないものですね。
他には何か工夫したポイントはありますか?
アニメみたいに毎回、最後は次が気になる終わり方にするように心がけました。次どうなるんだろう? と思わないと聴いてもらえないと思って。
確かに。聴き直した時に戦闘がだいたい2話に分かれているなあと思ったんです。このバトルなら2話とか、あれなら5話という感じではないんですよね。
LAST desireで長編に触れたという方も少なくないんじゃないですか? 私は30分×12話くらいなら応援していたサークルさんの影響であーあるあるという感じで結構聴けちゃうんですが。
30分とは思えない、気づけば聴けたという感想はよくありましたね。初めて長編を聴けたとか。
聴く時間をつくるのも難しいですよね。
そうですね。音は集中して聴きたいけど、よしっと決めないと聴けない方もいます。ながら聴きでもわかる作品にしないと聴けないのかもしれませんね。
*1:活動を休止した今もなお根強いファンがいる伝説的なボイスドラマサークルさん
*2:みや。さんの個人サークル。様々なジャンルにて合計21作品を発表(2017年9月現在)http://onigiriwagon.sakura.ne.jp/
*3:おにぎりワゴンの21作品目。仮想世界「ラスト・ディザイア」にて願いを叶えるために戦うキャラクターたちの物語。http://onigiriwagon.sakura.ne.jp/ld/
*4:彼氏の浮気現場を見てしまった美由紀。途方に暮れる彼女の前に現れたのは――。http://onigiriwagon.sakura.ne.jp/main.html
*5:うどん擬人化企画。http://kagasora.futene.net/udon/
*6:様々なボイスドラマ作品の編集を担当した知る人ぞ知る編集者さん。今はのんびり期間らしいです https://twitter.com/soundkim